
施主検査で不具合を見つけたけど、どう伝えればスムーズに対応してもらえるの?

冷静かつ具体的に伝えることが大切です。トラブルなく修繕してもらうための交渉術をお伝えします!
施主検査は新築引き渡し前の最終確認。そこで不具合や施工ミスが見つかった場合、住宅会社に是正を依頼する交渉が必要になります。
この記事では、施主が無理なく、かつ的確に修繕を求めるための伝え方・交渉ポイントを具体的に解説します。
この記事を読むとわかること
- 施主検査で見つかる問題
- 指摘内容を効果的に伝えるテクニック
- 交渉でトラブルになりそうな場合の対応策
この記事の監修者


施主検査で見つかる問題とその種類

施主検査で見つかる施工不良の内容について紹介します。
順番に見ていきましょう。
仕上げのムラやキズの発見例
施主検査では、クロスの浮き・床のキズ・塗装ムラなど、下記のような仕上げ不良がよく見つかります。
仕上げのムラやキズの発見例
- クロスにシワやたるみがある
- フローリングに擦り傷がある
- 外壁に塗りムラがある
これらは見た目の問題ですが生活の質に直結する部分でもあり、引き渡し前のタイミングで指摘すれば無償で修繕される可能性が高いです。
設備や動作の異常事例
機器類の不具合も見逃してはいけません。
引き渡し後に気づくと保証対応になるため、施主検査時のチェックが大切です。
設備や動作の不具合の事例は下記のとおりです。
設備や動作の不具合の事例
- 窓やドアがうまく開閉できない
- スイッチを押しても照明が点灯しない
- 水回りからの水漏れや排水の異音
動作確認を必ず施主自身の目で行うことが、安心な入居につながります。
指摘事項を明確に伝える重要性
気になる点があっても、あいまいに伝えると、対応が後回しになったり、正確に伝わらないことがあります。
下記は、指摘事項を明確に伝える方法です。
指摘事項を明確に伝える方法
- 「ここがちょっと気になる」ではなく、具体的に伝える
- 写真や印をつけて記録する
- 数字や位置、状態を言葉で伝える
担当者が誤解せず、社内に伝達しやすいように記録に残すのが交渉成功のコツです。

問題の種類を正しく把握しておけば、施主検査での指摘もスムーズになりますよ!
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是正交渉をスムーズに進めるための基本姿勢

施主検査で施工不良が起こった時、是正交渉をスムーズに進める必要があります。
ここでは、対応する際の基本姿勢を紹介します。
感情的にならず冷静に対応する
不具合を見つけた際、驚きや不満を感じるのは当然ですが、感情的になると話がこじれる可能性があります。
感情的にならず、冷静に対応しましょう。
施工不良を発見したときの対応方法
- まずは事実を淡々と確認し、冷静に伝える
- 怒りをぶつけず、改善に向けた提案を意識する
- 「一緒に解決したい」という姿勢を大切にする
住宅会社も真摯に対応したいと考えているため、信頼関係を崩さず進めることが結果的に早期解決に繋がります。
担当者の立場を理解して伝える
担当者もまた、複数の案件を抱える中で調整を行っています。
下記のように、伝え方一つで対応の質は変わります。
担当者の立場に配慮しながら伝える方法
- 「ここを見てもらえますか?」と依頼ベースで伝える
- 感謝の言葉を添えることで関係性が良好になる
- クレームではなく報告・相談という意識で対応する
お互いにとって良い住宅づくりにするという共通の目的を持つことが、交渉を円滑に進めるポイントです。
対応期限を確認し書面で記録する
指摘事項に対して、口頭だけで終わらせず、対応期限と内容を記録に残しておくことが重要です。
書面での記録方法は下記のとおりです。
書面での記録方法
- 担当者に対応スケジュールを確認する
- 指摘事項はメモやメールで残す
- 修繕後に再確認の機会があるかもチェックする
トラブルを防ぐには、「言った・言わない」を避ける記録が必要。簡単なメモややり取りの履歴でも効果的です。

交渉の基本は“相手と良好な関係を保ちつつ、冷静に事実を伝える”ことです!
指摘内容を効果的に伝える3つのテクニック

施主検査で発見した指摘内容は、正しく理解してもらえるように伝える必要があります。
ここでは効果的に伝えるテクニックを3つ紹介します。
写真・動画で証拠を残す
口頭の説明だけでは伝わりにくい問題も、写真や動画を活用することで一目で状況を共有できます。
写真や動画で証拠を残すコツは下記のとおりです。
共有できる写真や動画を残す方法
- 壁紙の剥がれやキズは写真で撮影
- 動作不良は動画で記録(ドアの開閉音など)
- 不具合箇所にマスキングテープを貼ると分かりやすい
写真や動画は、後から再確認する資料としても役立ちます。住宅会社の記録資料としても有効です。
指摘箇所は具体的にリスト化する
複数の箇所を指摘する場合、内容を一覧にして渡すことでスムーズな修繕対応が可能になります。
下記はリスト化するときのコツです。
リスト化する際のコツ
- 「場所・症状・希望対応内容」を整理する
- Excelや紙などで一覧化して担当者に渡す
- 優先順位を付けて伝えると対応がしやすい
現場担当者も後から見返しやすくなり、伝達ミスを防ぐ手段として効果的です。
自己判断せず「確認してほしい」姿勢
「これは施工ミスだ!」と決めつけて伝えるよりも、あくまで確認をお願いする形の方が印象が良く、対応も柔軟になります。
下記の例を参考に、対応を依頼してみましょう。
対応依頼の例
- 「この部分、少し気になるので確認いただけますか?」と相手に配慮しながら伝える
- 「正常かどうか教えてください」という伝え方にする
- 必要なら第三者の意見を求めることも視野に入れる
指摘は丁寧に、プロの視点で再確認してもらう姿勢がトラブル回避のカギになります。

記録を残し、具体的に伝えることで、担当者も動きやすくなりますよ!
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円滑に進めるための注意点

トラブルに発展しないよう、是正対応を円滑に進めていきましょう。
是正対応をする際の注意点を紹介します。
修繕の優先順位を明確に伝える
すべての修繕を一度に進めるのが難しい場合もあります。
対応すべき項目の優先順位を明確に伝えることで、スムーズな進行が可能になります。
下記は、修繕の優先順位を明確に伝える方法です。
修繕の優先順位を明確に伝える方法
- 生活に支障が出る項目を優先
- 美観に関する部分は後回しでもOK
- 「急ぎ」「引き渡しまでに完了希望」など分類すると効果的
修繕の全体像が明確になれば、住宅会社も対応スケジュールを立てやすくなります。
是正後の再確認タイミングを確認する
修繕後に「しっかり直っているか」の確認も重要です。
必ず施主側でも再チェックする機会を設けましょう。
是正後に再確認するタイミングは下記のとおりです。
是正後に再確認するタイミング
- 修繕予定日と完了報告日を把握
- 修繕内容に納得できなければ再対応を依頼
- 修繕済み箇所は写真などでもらうと安心
「やったつもり」で終わらず、完了後の確認プロセスまで含めて検査の一環と考えましょう。
曖昧な返答には記録と確認を
「確認します」「検討します」などの曖昧な返答には注意が必要です。
下記は、曖昧な返答に対する対策です。
曖昧な返答に対する対策
- 曖昧な表現はメモやメールで記録する
- 必ず確認内容と期日を聞いておく
- 進捗がない場合は丁寧に再確認を依頼する
やり取りの透明性を確保することが、トラブル回避と信頼関係の維持につながります。

“修繕して終わり”ではなく、再確認までが施主検査。細かい段取りが大切です!
交渉でトラブルになりそうな場合の対応策

交渉でトラブルになりそうになった場合でも、対応策があります。
一つずつ見ていきましょう。
第三者機関の相談を検討する
住宅会社とのやり取りが行き詰まる場合、中立的な第三者機関への相談が有効です。
相談できる中立的な第三者機関は下記のとおりです。
相談できる中立的な第三者機関
- 住宅紛争処理支援センターなどが窓口になる
- 建築士など専門家の意見をもらうことも可能
- 相談記録を残すことで、住宅会社側も真剣に対応するケースが多い
感情的にならず、公正な立場で進めるには、“第三者の存在”が安心感を与えてくれます。
契約内容・保証の確認をする
指摘内容が契約書や保証内容に含まれているかを確認し、根拠を持って交渉をすることが重要です。
指摘内容から確認する契約書や保障内容
- 仕上げ・施工に関する基準がどうなっているか確認
- 引き渡し前までに是正が必要な契約条件かを再確認
- 住宅会社の保証書・対応範囲の把握
法律や契約に基づいた交渉は、説得力と正当性を伴います。
書面でのやり取りを徹底する
口頭でのやり取りだけでは、行き違いが発生するリスクが高まります。
下記のような書面でのやり取りを徹底しましょう。
書面でのやり取りのポイント
- 指摘内容・対応方針はメールや文書で残す
- 合意内容は書面で確認・共有
- 会話の要点をメモとして記録しておくことも効果的
後々のトラブルを防ぐために、「見える化」されたやり取りが大切です。

話がこじれそうなときは、第三者や契約書を活用して冷静に対処しましょう!
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納得できる住まいを受け取るために

施主自身が納得して住まいを受け取るために、できることを改めて見ていきましょう。
順番に紹介します。
是正交渉のコツを振り返る
施主検査で不具合を見つけた際の是正交渉は、冷静さと記録が鍵です。
是正交渉のコツは下記のとおりです。
是正交渉のコツ
- 感情的にならず、丁寧な伝え方を心がける
- 担当者との信頼関係を意識する
- 写真・リストなどで証拠を残し、記録に残す
これらの基本を押さえることで、住宅会社との良好な関係を維持しつつ、確実な対応を引き出すことが可能になります。
トラブルを防ぐための備え
指摘への対応だけでなく、トラブルにならないために下記のような工夫も必要です。
トラブルを防ぐ対応策
- 修繕後の再確認タイミングを確保する
- 曖昧な返答は記録に残す
- 必要に応じて第三者や契約書を活用する
交渉を“対立”ではなく“協力”の場にすることで、結果的にスムーズな引き渡しにつながります。
自信を持って住まいを受け取るために
不具合があっても、適切に是正されれば安心して入居できます。
施主の行動を振り返り、適切に対応できたか考えてみましょう。
施主の振り返り行動
- 納得できる対応を住宅会社に依頼できたか
- 修繕内容が明確で確認できたか
- 書面や記録が残っているか
最終的に「納得して家を受け取れた」と思えるよう、施主自身の行動が大切な仕上げの一歩です。

交渉は対立ではなく“よりよい家をつくるためのプロセス”。冷静に、丁寧に進めましょう!
施主検査で発見された問題への対応は第三者機関への相談も視野に入れておきましょう

施主検査で発見された不具合への是正交渉は、住宅の品質を守る大切なステップです。
冷静に、記録を残しながら住宅会社と対話することで、スムーズな修繕と納得のいく引き渡しを実現できます。
是正交渉をスムーズに進めるための対応策は、下記のとおりです。
是正交渉をスムーズに進めるための対応策
- 写真・リストで状況を「見える化」
- 書面でのやり取りで信頼関係を構築
- 必要に応じて第三者機関への相談も視野に
住まいへの安心と満足は、施主の一歩から生まれます。

施主検査で問題が見つかったけど、うまく交渉できるか不安です…

ポイントを押さえて冷静に伝えれば大丈夫!信頼を保ちながら、納得できる家づくりを進めましょう!
「是正対応で第三者機関へ相談したい」「ホームインスペクションや家づくりに関して悩みがある」などがある場合、まずはお気軽にお問合せください。
