
完成後に見て確認するって聞いたけど、それって十分なんですか?見えない部分が心配で…

見えなくなる前に見る。これが検査の本質。工事中の確認で安心は大きく変わりますよ!
完成後にチェックできる範囲には限りがあります。
基礎・構造・防水・断熱といった家の根幹の部分は、工事中しか確認できません。
本記事では、基本検査を中心に、工事中にこそホームインスペクションを行うべき理由と、見逃すことで起きうるリスクを具体的に解説します。
この記事を読むとわかること
- 完成後のチェックでは見えない家の重要部分
- 第三者検査の必要性
- 工事中にこそ検査すべき理由
この記事の監修者


完成後のチェックでは見えない家の重要部分

住宅を施工中には、内部の耐震金物や断熱材など、見えなくなる部分のチェックが必要です。
順番に紹介します。
クロスや仕上材の裏にある断熱材や金物は確認が不可能になる
新築住宅の完成後にチェックできるのは、ほとんどが目に見える仕上げ部分です。
構造や断熱といった重要部分は、すべて内装で隠れてしまいます。
構造内部などの隠れる部分の検査ポイント
- 断熱材の充填状態や偏り
- 筋交い・耐震金物の位置と固定
見えないからこそ確認が必要という矛盾が、工事中検査の必要性を裏付けます。
防水シート・サッシや配管周りの防水状況は仕上げで完全に隠れる
雨仕舞や耐久性に関わる部材も、完成後は確認不可能です。
サッシまわりや壁内の処理は、一度仕上がると目視できません。
外壁工事における施工のポイント
- 透湿防水シートの重ね状況
- サッシ周りの防水処理
- 配管・配線貫通部に対する防水処理
「ちゃんとやってある」と信じるしかない状態になる前に、確認が必要です。
見えないミスは気づかれないまま将来の不具合になる
完成後の点検では、構造や防水の不備はほとんど発見できません。
そして気づかれないまま、10年後の雨漏り・寒さ・歪みとして表面化します。
施工不良が引き起こすリスク
- 断熱不良 → 光熱費増・快適性低下
- 防水不良 → 壁内結露・カビ・腐食
- 金物ミス → 地震時の耐力不足
家の根幹は、見えるうちにしか守れません。

仕上がった家を見ても、中身は見えません。だからこそ、工事中にこそ意味があるんです!
基礎工事の検査が家の耐久性を左右する

基礎工事の検査は、施工後に隠れてしまう部分だからこそ、打設前の確認が重要です。
一つずつみていきましょう。
配筋のピッチやかぶり厚が強度に直結する
基礎の鉄筋は、家を支える構造そのものです。
設計通りに配筋されているかが、建物全体の耐久性に影響します。
基礎工事における鉄筋の施工確認
- 配筋の間隔(ピッチ)が図面通りか
- コンクリートのかぶり厚が十分か
- 結束や継手の処理に不備がないか
これらはコンクリートを打設する前にしか確認できません。
コンクリート打設前の確認で是正が可能になる
コンクリートを打ってしまえば、中の状態は二度と見えません。
打設前の検査こそが、唯一の確認機会になります。
基礎配筋検査における確認作業
- 図面との照合 → 鉄筋配置の整合性チェック
- 寸法・かぶり厚の現場測定
基礎の検査は、家づくりの土台の品質の確認を行う重要な検査です。

基礎の施工は、あとで見ることができません。だからこそ、打設前の確認が絶対に必要なんです!
あわせて読みたい
上棟後の構造チェックで耐震性能を確保

上棟後の構造検査は、見えなくなる前にできる耐震性の基盤をチェックできる最後のチャンスとなります。
順番に紹介します。
筋交い・構造金物の設置ミスが発生しやすい
上棟後の構造躯体では、筋交いの向きや配置、構造金物の設置状況にミスが起こるケースが少なくありません。
筋交い・金物の施工で起こりやすいミス
- 筋交いが図面と異なる向きに設置されている
- 金物の種類が間違っていた
- ボルトの締め忘れや未固定の状態もある
木造住宅の耐震性は、構造の施工状況で決まります。
金物の緩み・打ち忘れは後から修正が困難になる
耐震金物は、石膏ボードを張ると完全に隠れてしまいます。
見逃されると、建物全体の安全性が損なわれる可能性もあります。
金物施工における固定不良や取付ミス
- 金物のビスが不足していた(4本のところ2本など)
- 緩んでいたが気づかれずに壁が塞がれた
- 間違った位置に取り付けられていた
発見できるのは、上棟から内装工事に入るまでの限られた期間です。
上棟後すぐのチェックが構造の信頼性を守る
上棟検査では、金物の取り付け状況、図面との整合性を第三者の目で確認します。
上棟後すぐのチェック
- 筋交いの取付位置、施工状況を確認
- 耐震金物の種類・位置・固定状態のチェック
- 施工状況を確認する事で、耐震性能が図面通りに実現されていることを確認
家の強さは、目に見えない構造部分の正確で決まります。

耐震性は、ちゃんとつくられたかがすべて。図面だけじゃなく、実際の構造をしっかり見ることが大事です!
外壁防水の確認が雨漏りリスクを防ぐ

住宅外壁工事における防水施工の重要性について紹介します。
一つずつみていきましょう。
防水シート・防水テープの重ね不良
外壁下地の防水層は、完成すれば二度と見えません。
しかし、ここでの施工不良は将来的な雨漏りの大きな原因になります。
防水シートや防水テープの施工ミスが発生しやすいポイント
- 防水シートの上下逆貼り
- 重ねしろの不足やテープ処理忘れ
- 穴あき・破れの放置
特に、繁忙期や作業が急がれる現場では、こうした初歩的ミスが頻発します。
サッシまわりの防水処理が最重要ポイント
雨水の浸入口として、最もリスクが高いのが窓周りです。
サッシ開口部の防水処理は、特に丁寧さが求められます。
サッシまわりの施工ミスの例
- 防水シートの重ね幅不足や破れ
- 防水テープ貼り忘れ
- 貼る順序や向きの間違い
ここでの施工ミスは「数年後に突然の雨漏り」となって表面化することがあります。
壁を塞ぐ前に見ることで重大トラブルを防止
外壁防水の検査は、外装材を張る前が唯一のチャンスです。
防水検査では、この見えなくなる前の状態を徹底的に確認します。
防水施工の検査の重要性
- 防水シートの施工状況を全面チェック
- サッシ・配管周りの処理状況を写真で記録
- 雨仕舞の基本が守られているか中立に確認
雨漏りは施工時にしか防げないトラブルです。未然防止こそが最善策です。

防水は完成後の見た目では分かりません。今だけ見られる中身を、今こそ見ておきましょう!
あわせて読みたい
断熱施工は室内快適性に直結する

断熱材にスキマや偏りがあると、断熱性能が低下し、室内環境に影響を及ぼします。
順番に紹介します。
断熱材の隙間・偏りは冷暖房効率の低下に
断熱材は、室温を快適に保つための最重要部材です。
施工不良があれば、毎日の暮らしに直接影響します。
断熱工事における施工不良とは
- 柱との間に隙間ができている
- 梁・筋交いの周辺が空洞になっている
- 吹き付け断熱の厚みが不十分である
隠れてしまえば一切分からないため、石膏ボード施工前のチェックが重要です。
吹き付け厚み不足・ズレはよくある施工ミス
とくに吹き付け断熱では、設計通りの厚みが確保されていないケースが多く見られます。
吹き付け断熱工事における施工ミスの例
- 壁面で厚みにムラがある
- 吹き忘れ箇所がそのまま放置されている
- 凹凸が大きく、断熱効果が弱くなる
目視で確認できる状況で断熱検査を行う事で、断熱性能の実現状況を確認します。
石膏ボード施工前に検査しなければ無意味
断熱材はボードを張った瞬間に完全に隠れてしまいます。
その前に検査してこそ意味があります。
石膏ボード施工前の検査の必要性
- 隠れてからでは推測のみ
- 是正には壁を壊す必要があり非現実的
- まだ見える段階でのチェックが最大のポイント
完成後に「なんか寒い」「エアコン効きづらい」…その原因は、施工中にしか見つけられないのです。

断熱は、毎日の快適さに直結する大事な部分。だからこそ、見えなくなる前に確認が必要なんです!
工事中にこそ検査すべき理由と後悔を防ぐ考え方

住まいの品質と安心感をえるためには、施工中にこそ検査が必要です。
一つずつ見ていきましょう。
「完成品」ではなく「工程」を見てリスクを減らす
新築住宅の不具合の多くは、完成した後では発見も修正も難しいものばかりです。
だからこそ、重要なのは「完成品の出来栄え」ではなく「どう作られたか」を見ることです。
工事中検査の重要性
- 隠れてしまう部分=検査の本丸
- 完成後のチェックではわからないリスクが多い
- 工事中にしか見えない工程を第三者がチェック
家づくりの中身を見られるのは、工事中だけです。
是正が可能なタイミングでの確認が重要
施工ミスや施工ズレは、工事が進むほど修正が困難になります。
だからこそ、間に合ううちに気づけるタイミングでの確認がカギになります。
是正が可能なタイミングでのチェック
- 断熱・防水・構造金物は「見てすぐ直せる」が重要
- 完成後の是正は費用も時間もかかる
- 検査の目的は「トラブルを未然に防ぐ」こと
気づけるタイミング=直せる最後のチャンスなのです。
工事中の検査が家の中身に納得する一番の近道
完成後の見た目がきれいでも、中身がどうなっているかはわかりません。
工事中の検査を経てこそ「ちゃんと作られた家」という実感が得られます。
工事中の検査で得られる安心感
- 写真付きで工事の状態を記録
- 自分では確認できない部分も見てもらえる
- 構造から仕上げまで丁寧に作られたという安心感
納得は「見る」ではなく「確かめられた」で得られます。

後悔は「あのとき見ておけば…」から始まります。今しか見えない場所を、今だからこそ確認しましょう!
あわせて読みたい
工事中にホームインスペクションを実施して満足できる家づくりをしましょう

新築住宅において、施工ミスや施工精度の差が大きなトラブルにつながるのは、多くが工事中にしか確認できない部分です。
完成後にいくら見ても、構造・防水・断熱のミスには気づけません。
だからこそ、ホームインスペクションは工事中に実施してこそ意味があり、家の性能・快適性・安全性を支える大切な工程となります。

完成してからじゃ遅いって聞いたけど、隠れる前に検査が大事なんですね。

はい。「今しか見えない場所」があるからこそ、今の確認が大事なんです!
ホームインスペクションや家づくりに関するお悩みがあれば、まずはお気軽にお問合せください。
