
住宅会社がホームインスペクションに消極的な理由って何でしょうか?

住宅会社が業務に干渉されていると勘違いされていることが、稀にあるからですね。
ホームインスペクションは新築住宅を購入する際に導入しても、無駄にはなりません。
ホームインスペクションは安心の家づくりをサポートする、大切な検査です。
そのためにも「安心できる家づくりがしたい」「家族のためにもしっかり確認したい」と、施主の考えを誤解なく住宅会社に伝える必要があります。
この記事では、住宅会社がホームインスペクションに消極的な理由や施主が検査を依頼する際に住宅会社とのトラブルを回避する方法を紹介します。
住宅会社へホームインスペクションについて、どのように伝えたら良いか悩んでいる方は参考にしてください。
この記事でわかること
- 住宅会社がホームインスペクションに消極的な主な理由
- ホームインスペクションを依頼するメリット
- ホームインスペクションによるトラブル防止の具体例
この記事の監修者


住宅会社がホームインスペクションに消極的な主な理由

住宅会社がホームインスペクションに消極的な理由は主に3つあります。
順番に紹介します。
業務への干渉と誤解される
住宅会社がホームインスペクションに消極的な理由の一つに、「業務への干渉」と感じる懸念があります。
第三者検査が、あたかも施工を疑う行為と誤解されることがあり、これが事業者のプライドや信頼関係に影響を与えると考える場合もあります。
下記は、国土交通省の調査による、既存住宅におけるインスペクション実施状況です。

ホームインスペクションを実施したのは全体の3割程度で、公的制度に基づく調査既存住宅状況調査や既存住宅売買瑕疵保険のための検査が多く実施されている傾向です。
そのため、住宅会社もホームインスペクションに対する制度を周知があまりできていないと考えられます。
ホームインスペクションはあくまで「施主の安心」を高めるための手段で、業務そのものを否定するものではありません。
施工ミスの指摘を嫌がる
住宅会社がホームインスペクションを嫌がるもう一つの理由は、施工ミスの指摘がブランドイメージに影響すると考えているためです。
特に、現場の忙しさや工程の遅れが原因でミスが発生する場合、その事実を第三者に指摘されることを避けたいという心理が働きます。
このような背景があるため、施主とのコミュニケーションが重要になります。
追加の調整や対応に負担がかかる
ホームインスペクションを導入すると、検査結果をもとに追加の修正作業や工程の見直しが求められる場合があります。
工期や予算に余裕がない場合、住宅会社は消極的になるためです。
しかし、この負担を適切な対応が、最終的には施主の満足度や信頼を高める結果につながります。

建築会社が消極的な理由には背景があります。でも対策はありますよ!
ホームインスペクションを依頼するメリット

ここでは、ホームインスペクションを依頼するメリットを3つ紹介します。
順番に見ていきましょう。
施主が安心感を得られる
ホームインスペクションを依頼すると、施主は新築住宅の施工状態を第三者の目で確認できるため、安心感を得られます。
検査結果をもとに得られる安心感
- 問題なく施工されているか
- 指摘箇所の早期是正
また、検査結果をもとに、指摘箇所だけでなく問題なく施工されている箇所も同時に確認できるため、住宅会社への信頼も高まります。
透明性のある家づくりは、施主と住宅会社双方にとってメリットです。
施工品質の向上につながる
ホームインスペクションが入ることで、建築会社や施工現場の意識が高まり、多くのケースが品質の向上につながります。
特に、現場でのチェック体制が強化され、ミスを防ぐ仕組みが整うことで、結果的に施工精度が向上するためです。
これは、施主だけでなく住宅会社にとっても、信頼性向上という形で大きなプラスになります。
引き渡し後のトラブル発生リスクを未然に防ぐ
第三者の検査を取り入れることで、施工ミスや不具合を早期に発見でき、引き渡し後のトラブルを未然に防げます。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの調査によると、新築住宅における電話相談は2023年度は全体の20%以上を占めています。
新築住宅相談のうち「住宅に関する相談」が98.0%です。

建築中や完成後にホームインスペクションをすることで、保証期間内の修繕やアフターフォローが最小限で済み、住宅会社の負担軽減にも寄与します。
施主にとっても、安心して住める家が完成するため、双方にとって「Win-Win」の関係が築けます。

施主だけでなく住宅会社にも、第三者検査には多くのメリットがあります!
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住宅会社にホームインスペクションを受け入れてもらうためのポイント

建築会社にホームインスペクションの検査を受け入れてもらうためのポイントを紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
施主の意向を明確に伝える
ホームインスペクションを依頼する際には、施主の意向を建築会社にしっかりと伝えておきましょう。
たとえば、「安心して住める家にしたい」「家族のためにしっかり確認したい」という理由を明確に示すと、建築会社側も理解を示しやすくなります。
また、検査が住宅会社の業務を否定するものではないことを説明することで、関係性を保ちながら進められます。
検査の項目を事前に連絡する
住宅会社にホームインスペクションを受け入れてもらうためには、早い段階で検査項目を伝えましょう。
契約段階や基礎工事前など、工事が始まる前に検査の項目(タイミング)を共有することで、住宅会社も無理なく対応できます。
特に、工事の重要な節目で検査を実施する予定を伝えることで、スムーズな進行が期待できます。
住宅会社への配慮で良好な関係を構築する
住宅会社との良好な関係を維持するためには、施主としての配慮が重要です。
たとえば、検査結果をもとに指摘をする際には、冷静で具体的な表現を心掛けましょう。
また、問題が発見された場合も、感情的にならず、改善案を住宅会社と共有することで、協力的な姿勢を示せます。
このような配慮が、トラブルを防ぎ、信頼関係を強化します。

意向を伝えるだけでなく、配慮と調整が建築会社との信頼を築きます!
住宅会社が第三者検査を受け入れやすくなる理由を示す

ホームインスペクションを取り入れる際は、住宅会社が受け入れやすくなるように理由を伝えましょう。
一つずつ見ていきましょう。
住宅会社にもメリットがあることを説明する
ホームインスペクションを導入すると、住宅会社にもメリットがあることを伝えましょう。
たとえば、第三者検査を受け入れることで施工品質への信頼が高まり、口コミや紹介での新規顧客獲得につながります。
また、施工ミスが減少することで、保証対応やアフターフォローの負担が軽減され、結果的にコスト削減にも寄与します。
このような利点の具体的な説明により、住宅会社も前向きに検討しやすくなるでしょう。
トラブル回避や信頼性向上を提案する
ホームインスペクションをすると、引き渡し後のクレームやトラブルを未然に防げます。
住宅会社にとっては、施主との信頼関係を深めるチャンスとなり、住宅完成後も良好な関係を維持できます。
特に、トラブルが少ないことで施主の満足度が向上し、住宅会社の評価やブランドイメージの向上にもつながります。
信頼性向上という観点から、検査の意義を提案しましょう。
専門家の検査が建築業界全体を支える理由を伝える
ホームインスペクションは、施主と住宅会社の関係だけでなく、住宅業界全体の品質向上にも寄与すると伝えましょう。
専門家による第三者検査が一般的になることで、業界全体の施工基準が高まり、消費者からの信頼が上がると期待できます。
住宅会社にとっても、ホームインスペクションの取り組みに参加することが「信頼される業者」としてのポジションを確立する一助となります。

住宅会社の視点からも、第三者検査の価値を伝えることが大切です!
ホームインスペクションによるトラブル防止の具体例

ホームインスペクションは、単なる施工チェックではなく、施主の安心感や施工品質の向上に大きく寄与することを伝えましょう。
順番に紹介します。
過去の施工ミス事例
過去にホームインスペクションで実際に発見された、施工ミスの事例を紹介します。
ホームインスペクションで発見された施工ミスの一例
- 基礎部分の鉄筋配置ミス
- 断熱材の欠落
- 防水シートの破れ
下記は、過去の施工ミスの事例と行われた対策例を2つ紹介します。
基礎部分の鉄筋配置ミス
【事例】
コンクリート基礎内の鉄筋が設計通りに配置されておらず、強度不足が懸念された
【対策】
・ホームインスペクションでの指摘により発見され施工会社が再施工
・設計図書通りに修正され、安全性の確保
つづいて、断熱材の欠落事例を紹介します。
断熱材の欠落
【事例】
壁内の断熱材が部分的に施工されていなかったため、結露や断熱性能低下のリスクがあった
【対策】
・ホームインスペクションでの指摘により、施工会社が修正
・施主も確認し、壁が塞がる前に断熱材を施工
ホームインスペクションを導入していたことにより、工事途中に発見されたため修正が可能となり、大きなトラブルに発展するのを防ぎました。
事例を挙げながら解決策を説明することで、第三者検査の具体的な効果を示せます。
ホームインスペクションによる満足度向上のポイント
ホームインスペクションを通じて施主が満足したケースでは「第三者の目で施工を確認してもらえた安心感」が大きなポイントです。
施主が住宅会社を信頼し、引き渡し後も良好な関係が続くことは、双方にとって理想的な結果です。
施主の声を取り入れることで、ホームインスペクションがもたらす価値をより具体的に伝えられます。

具体例を示すことで、第三者検査の価値が伝わりますね!
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ホームインスペクション実施の3つの必要性

ここでは、ホームインスペクションの必要性を紹介します。
順番に見ていきましょう。
第三者検査で多岐にわたる施工箇所を確認する

ホームインスペクションでは、基礎、構造、断熱材、防水工事など、多岐にわたる施工箇所を確認します。
たとえば、基礎工事では鉄筋の配置やかぶり厚の確認、構造では接合部や金具の固定状態を検査します。
これらの検査項目は、建物の耐久性や安全性に直結する部分が多く、第三者の専門家によるチェックが欠かせません。
建築過程のタイミングでミスを防ぐ
ホームインスペクションは、基礎工事、上棟、断熱材施工、防水工事など、各工事の重要な節目でおこなわれます。
このタイミングでの検査の実施は、施工ミスや不具合の早期発見や是正が可能です。
一度完成した建物の修正には、多大なコストがかかります。
そのため、建築過程でのミスを防ぐことが、長期的な安心につながります。
プロのサポートにより住まいの価値が高まる
ホームインスペクションは、施主にとっての安心だけでなく、住まいの資産価値を高める効果もあります。
施工精度が高い住宅は、住み心地が良いだけでなく、将来的な売却時にも高い評価を受けやすくなります。
プロのサポートを受けながら家づくりを進めることで、安心と価値の両方を手に入れることができます。

家づくりの安心と価値を守るため、第三者検査を上手に活用しましょう!
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ホームインスペクションの活用で施主と住宅会社の双方が納得の家づくり

住宅会社がホームインスペクションに消極的な理由には、「業務への干渉」と感じる懸念や、施工ミスの指摘を嫌がる心理的背景があります。
しかし、ホームインスペクションは施主にとって安心感を与えるだけでなく、住宅会社にも品質向上や信頼性アップといったメリットがあります。
適切な検査タイミングと良好なコミュニケーションを心掛けることで、施主と住宅会社の双方が納得のいく家づくりが実現します。
具体例や成功事例を活用しながら、第三者検査の価値を伝え、トラブルのない家づくりを目指しましょう。

安心の家づくりを一緒に実現しましょう!
ホームインスペクションや家づくりに関するお悩みがあれば、まずはお気軽にお問合せください。
