
大手のハウスメーカーなら検査しなくても安心なんじゃないの?

体制は整っていても、現場には「人による差」があります。だからこそ、確認の目が必要なんです!
大手ハウスメーカーは独自の品質管理体制やマニュアルを持ち、一定の信頼性があります。
しかし実際には、現場ごとのバラつきや人手不足による確認漏れも起こりうるのが実情です。
本記事では、大手住宅会社であってもホームインスペクションが「なぜ必要なのか」を、客観的な視点から解説します。
この記事を読むとわかること
- ハウスメーカーの品質管理体制
- 大手ハウスメーカーでも発生する施工トラブルの実例
- ホームインスペクションでの好事例
この記事の監修者


ハウスメーカーの品質管理体制はどうなっている?

まず、ハウスメーカーに品質管理体制について紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
統一マニュアルと独自検査で管理されている
大手ハウスメーカーは、自社独自の施工マニュアルや検査基準を整備しており、品質管理体制としては非常に高度です。
大手ハウスメーカーの品質管理体制の例
- 工程ごとの社内チェックリストがある
- 一部は写真での記録提出も義務化されている
- 設計〜施工までのフローも標準化されている
一定の品質を保つ仕組みは、確かに存在しています。
外注施工が主流で「現場の目」は限られる
ただし、実際の施工を行うのは下請け・孫請けの職人たちであり、ハウスメーカー社員が常時見ているわけではないのが現実です。
外注施工が主流
- 大半の作業は地元の外注業者が担当する
- 担当監督も複数現場を掛け持ちすることが多い
- ミスがあっても誰も気づかないことがある
制度と現場の間にギャップがあるのが構造的な課題です。
検査記録はあるが「実態把握」には限界がある
チェックリストの記録は残っていても、それが「現実と一致しているか」を施主が確認する術はありません。
検査記録における実態
- 「記録されていても実物は違う」ケースが存在する
- 写真だけでは確認できないズレもある
- 完成後に気づいても、修正は難しい
記録がある=実際に施工された、とは限らないのが実情です。

仕組みが整っていても、現場では「人」がつくります。だからこそ、もう一つの確認の目が必要なんです!
大手でも発生する施工トラブルの実例

大手ハウスメーカーでも施工ミスは起こり得ます。
大手ハウスメーカーでも発生する施工トラブル
- 金物の未施工や断熱材の欠損が発覚した事例
- 忙しさによる検査簡略化の実態
- 「チェックしたつもり」で起こる見落とし
ここでは、大手ハウスメーカーでも発生する施工トラブルの実例を紹介します。
金物の未施工や断熱材の欠損が発覚した事例
大手ハウスメーカーの現場でも、筋交い金物の打ち忘れや部分的な断熱材の吹き忘れといった基本的なミスが発生しています。
金物の未施工や断熱材の欠損が発覚
- 見た目では分からず、第三者検査で初めて発覚
- 金物の欠落で耐震性能に不安が残る状態
- 吹き忘れによる断熱不良が快適性に影響
「大手だからミスはない」という思い込みは、非常に危険です。
忙しさによる検査簡略化の実態
繁忙期や人手不足の影響で、予定していた検査が省略されたり、記録のみで「実地確認なし」となる例もあります。
検査簡略化の実態
- 現場監督が1日に複数現場を巡回
- 書類上は検査済でも、現場の確認は実質ゼロ
- 指摘されるまで問題に気づかない
仕組みがあっても「使いこなされていない」のが問題です。
「チェックしたつもり」で起こる見落とし
写真記録やチェックリストに頼るあまり、実際には見ていなかった箇所がそのまま進行してしまうこともあります。
「チェックしたつもり」で起こる見落とし
- 写真はあるが、実際の状態は異なっていた
- 項目が「チェック済」でも現場では施工していない
- 「見たつもり」「やったつもり」がミスを招く
「確認した」と「確認できていた」は、まったく別物です。

体制はあっても、現場での運用が甘ければ意味がありません。見たかどうかを第三者が担保することが大切です!
住宅会社の検査だけでは足りない理由

大手ハウスメーカーでも社内検査は行われていますが、それだけでは万全とは言い切れません。
住宅会社の検査だけでは足りない理由を紹介します。
検査担当と現場監督が兼務しているケース
現場によっては、品質検査を行う立場の人が、実際の施工管理も兼ねており、客観的なチェックが難しくなっています。
検査担当と現場監督が兼務しているケース
- 自分の現場を自分でチェックしている
- 作業の流れを優先して検査が形式化している
- 問題があってもその場で判断されがちである
内部検査だけでは「甘さ」が残ることがあります。
自社検査は「内部視点」に偏るリスク
住宅会社の検査は、その会社の基準や都合に基づいて行われます。そのため、施主の視点とは必ずしも一致しません。
自社検査は「内部視点」に偏る
- 検査員と現場監督が兼務している場合、「このくらいは許容範囲」と判断されることもある。
- 施主の納得とは別の基準で進む
第三者はあくまで「中立な立場」での確認ができます。
是正しても報告されないケース
社内検査で不具合があっても、その内容が施主に報告されず、修正されたかどうかも曖昧なまま進むケースもあります。
是正しても報告されないケース
- 是正記録が残らない場合がある
- 施主が気づかない前提で情報が省略される
- 不信感につながるトラブルの原因になる
第三者検査なら、検査→指摘→是正→再確認が一貫して見える化されます。

会社の検査が悪いわけじゃない。でも「外から見る目」があるかどうかで、家づくりの安心感はまるで違うんです!
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ホームインスペクションで「何が補える」のか?

ホームインスペクションでは、見落とされがちな施工ミスや不具合を補えます。
ここでは、ホームインスペクションで補える内容を紹介します。
中立な目線で図面と現場の整合性を確認
第三者によるホームインスペクションは、施主の立場から「適切に工事されているか」を中立な視点で確認する役割を担います。
図面と現場の整合性を確認
- 金物の設置状況や断熱材、防水処理の施工状況を現場で直接確認
- 寸法・部材・施工位置などを設計図と照合
- 「気になるけど自分では見られない」部分をプロが代行
信頼とは別に「客観的に確かめる仕組み」が必要です。
見えなくなる前の構造・断熱・防水を重点チェック
ホームインスペクションでは、完成後には確認不可能になる重要な部分を、施工中にタイミングよくチェックします。
確認不可能になる重要部分施工中にをチェック
- 基礎配筋・コンクリート打設前の状態
- 筋交い・金物・断熱材の施工状況
- 外壁防水シートやサッシまわりの防水処理状況
「今しか見られない場所」に価値を置くのが、第三者検査の特長です。
信頼関係を崩さず高い精度を維持
第三者検査は「クレーム」ではありません。住宅会社と対立するのではなく、品質向上のための一助として機能します。
第三者検査はクレームではない
- 検査を歓迎する住宅会社もある
- 是正依頼も写真・報告書を通じて丁寧に伝達する
- 「検査があるから、より丁寧に施工しよう」という効果もある
信頼と確認は両立できます。むしろ、両方あるから安心が生まれます。

検査って「誰かを疑うもの」じゃないんです。「ちゃんとつくられているかを確かめる目」として、自然なことなんですよ!
ホームインスペクションを入れてよかった実例

ホームインスペクションを導入したことにより、施工ミスの発見や早期対応できた事例を紹介します。
順番にみていきましょう。
大手でも金物のミスを指摘し修正
上棟後の検査で、柱と梁をつなぐ金物が未施工だった箇所を発見しています。
図面通りの施工がされていなかったため、是正対応を依頼しました。
金物のミスを指摘し修正
- 現場監督も「うっかりしていた」と謝罪
- 住宅会社も検査結果を尊重し即対応
- 写真付きで記録を残し、安心材料に
会社を問わず、現場にはヒューマンエラーがあると分かる例です。
防水シートの重ねミスを発見し早期対応
外壁防水検査で、防水紙の重ねしろが不足していた箇所を指摘しています。
雨仕舞の基本が守られておらず、即是正となりました。
防水紙の重ねのミス
- 繁忙期で作業が急がれていた現場
- 下から貼るべきところを上から施工
- 外壁を塞ぐ前だったため、影響なく修正完了
早めにチェックが入ることで、未然に防げた雨漏りです。

大手でも、現場で起こるミスはゼロじゃありません。でも「早く気づけば直せる」んです。それが第三者検査の力なんですよ!
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本当に安心できる家づくりのために必要な視点

ここでは、安心できる家づくりのために必要な視点を紹介します。
一つずつみていきましょう。
「信頼」と「確認」は別問題として捉える
ハウスメーカーへの信頼と、第三者による検査の導入は矛盾しません。
むしろ、両立してこそ本当に安心できる家づくりが実現します。
「信頼」と「確認」は別問題
- 信頼している会社でも見えない部分は確認が必要
- 「不安だから」ではなく「安心を得るため」に行う検査
- 信頼関係を前提に、品質を一段高める手段
「信じてるから確認しない」ではなく「信じてるからこそ確かめる」が賢明です。
良い会社だからこそ検査が活きる
大手ハウスメーカーは是正対応にも柔軟で、第三者検査の結果を前向きに受け止めてくれるケースがほとんどです。
柔軟な是正対応
- 是正指摘への対応スピードが速い
- 記録が残ることで品質管理にも役立つ
- 担当者が「検査がある前提」で丁寧に施工する効果も
検査のある環境こそが「ちゃんとつくろう」という空気を育てます。
第三者検査で納得して住める家に仕上げる
完成後に「この家で本当によかった」と思えるかどうかは、引き渡しまでにどれだけ確認できたかにかかっています。
第三者検査で納得して住める家に
- 目に見えない構造・断熱・防水にこそ、納得の根拠を
- 図面との整合性を記録で確認する価値
- 施工途中の記録が、後々の安心材料に
「建てたあとも不安が残る」のではなく「見たから安心して暮らせる」家にしましょう。

信頼できる会社こそ「検査の力」が活きます。本当の安心は「確認されたという実感」から生まれるんですよ!
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大手ハウスメーカーでもホームインスペクションを併用して安心できる家づくりをしましょう

大手ハウスメーカーの品質管理体制は確かに整っていますが、それでも現場には人によるばらつきや確認漏れのリスクが存在します。
ホームインスペクションは、会社を疑うのではなく、家づくりをより確実にする「確認の仕組み」です。
信頼と確認は両立できる。そしてそれが、本当に納得できる住まいにつながります。

大手だから大丈夫と思ってたけど…それでも確認は必要なんですね

はい、「信頼+確認」が本当の安心です。大手でも、目で見て確かめましょう!
ホームインスペクションや家づくりに関するお悩みがあれば、まずはお気軽にお問合せください。
