
ホームインスペクションを依頼しようとしたら、住宅会社に拒否されました…。どうすればいいのでしょうか?

住宅会社が第三者検査を嫌がる理由はさまざまです。対策を知っておくことで、リスクを最小限に抑えることができます!
ホームインスペクションを拒否されるケースはゼロではありません。
その理由には「施工ミスの発覚を恐れる」「スケジュール調整が難しい」「慣例的におこなわない」などが挙げられます。
本記事では、住宅会社がホームインスペクションを拒否する背景と、その際に取るべき対策を詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- 住宅会社がホームインスペクションを拒否する理由
- ホームインスペクションを受け入れてもらうための交渉術
- ホームインスペクションを拒否されたときの代替策
この記事の監修者


なぜ住宅会社はホームインスペクションを拒否するのか?

住宅会社にホームインスペクションの導入希望を伝えても、拒否されることがあります。
住宅会社がホームインスペクションを拒否する主な理由を紹介します。
施工ミスの発覚を避けたいケースがある
住宅会社がホームインスペクションを拒否する理由の一つに、施工ミスが発覚するのを避けたいというケースがあります。
施工ミスはどんな現場でも起こり得ますが、住宅会社の中には、問題を指摘されることで手直しが増え、コストやスケジュールに影響が出ることを嫌がるところもあります。
特に、短期間で工事を進める現場では、検査を入れることで工期が延びることを懸念し「必要ない」「自社で十分チェックしている」といった理由で拒否することがあります。
スケジュールや契約上に問題がある
住宅会社は複数の建築現場を管理しているため、スケジュールの調整が難しい場合もあります。
第三者検査を入れることで、工事の進行に影響が出ると判断されると、拒否されることがあります。
また、契約書に「第三者検査の実施を想定していない」項目が含まれている場合、住宅会社側が「契約内容にないから実施できない」と主張することもあります。
そのため、契約前に検査の可否を確認しておくことが重要です。
そもそも第三者検査の必要性を理解していない
住宅会社によっては、そもそも第三者検査の意義を理解していない場合があります。
特に「うちの検査体制は万全だから、わざわざ外部の検査を入れる必要がない」と考える住宅会社も少なくありません。
また、ホームインスペクションを行うことが業界全体にあまり浸透していない地域では、住宅会社が「前例がない」「やったことがない」として拒否することもあります。
こうした場合は、第三者検査のメリットをしっかり説明することが有効です。

ホームインスペクションを拒否される理由はいくつかありますが、施主として適切な対応を取ることで、リスクを減らすことが可能です!
ホームインスペクションを拒否された場合のリスクとは?

ここでは、住宅会社がホームインスペクションを拒否した場合に起こるリスクについて紹介します。
順番に見ていきましょう。
見えない施工ミスが後で発覚する可能性
ホームインスペクションを拒否された場合、施工ミスを未然に防ぐ機会を失うリスクがあります。
特に、基礎や構造、防水・断熱の施工不良は、引き渡し後に発覚すると修繕費用が高額になることが多くなります。
下記は、施工不良が発生しやすい事例です。
施工不良が発生しやすい事例
- 基礎のひび割れや鉄筋の不足
- 断熱材の充填不足や防水処理の不備
見えない部分だからこそ施工不良が発生しやすいポイントです。
第三者検査を拒否された場合、こうした施工ミスが発覚せず、数年後に雨漏りや断熱不良による結露などの問題に悩まされる可能性があります。
住宅会社との信頼関係に影響するリスク
ホームインスペクションを拒否する住宅会社に対し、施主として不信感を抱くケースもあります。
「なぜ拒否するのか?」という疑念が生じることで、住宅会社への信頼が揺らぎ、引き渡しまでの過程で不安を抱えながら進めることになる可能性があります。
また、施主が「施工ミスを隠そうとしているのでは?」と考え、不要なトラブルを招くこともあり得ます。
住宅会社との関係を良好に保つためにも、第三者検査の意義を理解してもらい、納得できる形で話し合うことが大切です。
引き渡し後の保証や修繕トラブルの懸念
住宅の引き渡し後に施工不良が見つかった場合、保証の範囲や修繕対応をめぐって住宅会社とトラブルになる可能性があります。
「施工不良の原因は引き渡し後の使い方にある」などと主張され、無料修繕を断られるケースもあるためです。
また、保証期間が短い部分については、気づいたときにはすでに無償修繕の対象外になっていたということも考えられます。
第三者検査を実施できれば、引き渡し前に施工ミスを指摘し、修正対応を求めることができるため、保証トラブルを防ぐことにつながります。

ホームインスペクションを拒否されると、後々のリスクが高まります。住宅会社と話し合いながら、できる限り施工のチェック体制を整えましょう!
ホームインスペクションを受け入れてもらうための交渉方法

住宅会社との良好な関係を保ちながら、ホームインスペクションを受け入れてもらうには交渉術が必要です。
順番に紹介します。
住宅会社に検査の目的を正しく伝える
住宅会社がホームインスペクションを拒否する理由の一つに、「施主が疑っている」と捉えられることへの抵抗感があります。
そのため、交渉する際は、「施工品質を確認し、安心して引き渡しを受けたい」という前向きな理由を伝えることが重要です。
例えば、以下のような伝え方が効果的です。
住宅会社への効果的な伝え方
- 施工ミスを疑っているわけではなく、より安心して家を引き渡してもらうために第三者の視点を入れたい
- 新築住宅は大きな買い物なので、見えない部分も含めてしっかり確認したい
このように、住宅会社を信用していないわけではなく、施主自身の安心のための検査であることを伝えることで、受け入れてもらいやすくなります。
契約前に第三者検査の実施を交渉する
住宅会社がホームインスペクションを拒否する最大の理由の一つは、契約時点で検査を想定していないことです。
そのため、最も確実な方法は、契約前に第三者検査の可否を確認し、合意を得ることです。
契約段階で以下のように交渉すると、スムーズに受け入れてもらえる可能性が高まります。
契約段階で住宅会社への伝え方
- 第三者検査を実施したいのですが、契約前に可能かどうかを確認したいです
- 施工段階での検査をお願いしたいのですが、スケジュール調整は可能でしょうか?
契約後に交渉すると、住宅会社側もスケジュールの変更を避けたいため、拒否される可能性もゼロではありません。
事前に相談することで、トラブルが防げます。
住宅会社が指定する第三者検査の活用も検討する
一部の住宅会社では、「第三者検査はNGだが、自社が指定する検査機関ならOK」とするケースがあります。
これは、住宅会社が関係を持っている検査機関を利用することで、施工ミスの指摘をコントロールしやすくする意図も考えられます。
こうした検査機関を利用する場合「本当に中立的な立場で検査を行ってくれるか?」を確認することが重要です。
もし住宅会社指定の検査機関であっても、検査内容や報告の透明性が確保されるなら、一つの選択肢として活用できます。
ただし、完全に中立な立場で検査を行うホームインスペクション事業者を選ぶのが理想です。
そのため、どうしても住宅会社指定の機関しか選べない場合は、検査報告の詳細や指摘事項の対応について事前に確認しましょう。

住宅会社との交渉は、伝え方が重要です!前向きな理由を伝え、契約前に交渉するのが理想です!
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ホームインスペクションを拒否された場合の代替策

住宅会社からホームインスペクション拒否された場合でも、施主としてやっておきたいことがあります。
1つずつ見ていきましょう。
施工途中の現場訪問を積極的に行う
ホームインスペクションが拒否された場合でも、施主自身が定期的に現場を訪れることで、施工の透明性を高めることができます。
下記は、施工途中に効果的に現場訪問する対策です。
効果的な現場訪問
- 工事の進捗を自分の目で確認し、疑問点をその場で現場監督に尋ねる
- 写真を撮って記録を残す
写真を撮って記録を残しておくことで、引き渡し後の不具合発生時に施工段階を振り返ることもできます。
施工ミスを防ぐには、施主の関心を住宅会社に示し、慎重な施工を促すことが大切です。
証拠を残し、引き渡し後のトラブルを防ぐ
万が一、施工不良を疑う点があった場合、写真や動画で記録を残しておくことが重要です。
下記は、写真や動画で記録を残したほうがいい事例です。
写真や動画で記録を残してたほうがいい事例
- 基礎のヒビ
- 防水施工の不備
- 断熱材の隙間
後から修正が難しい部分については、できるだけ詳細に記録しておきましょう。
さらに、住宅会社とのやり取りはできる限り書面やメールで残しておくことで、万が一のトラブル時に証拠として活用できます。
契約時に保証内容をしっかり確認し、施工不良があった際の対応についても事前に把握しておくと安心です。

現場確認と記録をしっかり行うことで、ホームインスペクションがなくてもリスクを軽減できます!
第三者検査を拒否しない住宅会社を選ぶ方法

大切な住宅を守るためにも、第三者検査は必要です。ここでは、第三者検査を拒否しない住宅会社を選ぶ方法を紹介します。
順番に見ていきましょう。
ホームインスペクションを受け入れている住宅会社を探す
すべての住宅会社がホームインスペクションを拒否するわけではありません。
全国区のハウスメーカーは概ね問題ありませんが、工務店は会社によるところはあります。
施工品質に自信がある会社ほど、第三者の検査を積極的に受け入れる傾向があります。
契約前に、過去にホームインスペクションを受け入れた実績があるかを確認し、対応可能な会社を選ぶことが重要です。
また、対応が曖昧な場合は、施主側の要望を尊重し、検査を受け入れる柔軟性があるかどうかを慎重に判断しましょう。
契約前に第三者検査の実績を確認する
住宅会社によっては、契約後の段階でホームインスペクションを拒否するケースがあります。
そのため、契約前に第三者検査の実施可否を確認し、書面で明記しておくと安心です。
契約後に交渉すると、住宅会社がスケジュール調整の困難さを理由に拒否する可能性があるため、事前に合意を得ることが理想的です。
契約時に住宅会社の過去の第三者検査の対応履歴を確認し、対応の可否を明確にしておきましょう。
住宅会社との信頼関係を築く
ホームインスペクションの実施を交渉する際は、住宅会社との関係を良好に保つことが重要です。
検査を希望する理由を「不安をなくして安心して家を建てたい」と伝え、施工ミスを疑っているわけではないことを強調しましょう。
また、住宅会社の担当者と定期的にコミュニケーションを取り、現場訪問時には作業員への配慮を示すことで、円滑な関係を築くことができます。
住宅会社との関係を悪化させないよう、適切な言葉選びと交渉の仕方を工夫することが大切です。

契約前に第三者検査の可否を確認し、住宅会社と良好な関係を築きながら進めましょう!
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拒否された場合でもリスクを減らす方法を実践しよう

住宅会社にホームインスペクションを拒否された場合でも、リスクを減らす方法があります。
1つずつ紹介します。
ホームインスペクションを断られた場合の対応策を理解する
住宅会社にホームインスペクションを拒否された場合でも、適切な対策を講じることでリスクを最小限に抑えることができます。
施主自身で施工状態を確認し、現場訪問を積極的におこなうことで、施工ミスを未然に防ぐことが可能です。
また、記録を残し、引き渡し後のトラブルに備えることも重要です。
住宅会社と良好な関係を維持しながら、適切な交渉を行うことが、安心して新築を建てるための鍵となります。
施主自身のチェックも重要な役割を果たす
ホームインスペクションができない場合、施主自身が住宅の施工状況をチェックすることが求められます。
基礎や上棟、防水・断熱工事の段階で現場を訪れ、目視で確認できる範囲をチェックしましょう。
また、住宅会社の担当者とコミュニケーションを密に取り、施工内容について質問することで、施工の透明性を確保することができます。
施主の積極的な関与が、より良い家づくりにつながります。
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住宅会社との関係を維持しつつ、家づくりの品質を確保する
ホームインスペクションを拒否されても、住宅会社との関係を悪化させずに施工品質を確保することは可能です。
現場訪問を通じて、施主の施工への関心を示すことで、住宅会社側の意識を高めることができます。
適切な対応をおこないながら、家の品質を確保するための取り組みを続けましょう。

ホームインスペクションを拒否されても、施主が主体的に行動することで、施工品質を守ることができます!
ホームインスペクションを拒否された場合でもリスクを最小限に抑えましょう

新築住宅を建てる際、住宅会社からホームインスペクションを拒否されるケースは少なくありません。
しかし、拒否されたからといって施主が何もできないわけではなく、代替策を講じることでリスクを最小限に抑えることが可能です。
ホームインスペクションを拒否されたときの代替案
- 施工途中での現場訪問を増やし、住宅の状態を記録する
- 施主自身でチェックポイントを押さえ、疑問点を住宅会社に確認する
このように、施主が積極的に住宅の品質管理に関与することで、施工ミスを防ぎ、より安心できる家づくりを実現できます。

ホームインスペクションを断られた場合でも、できることがあると分かりました!

施主としてのチェックや記録をしっかり行い、住宅の品質を守りましょう!
ホームインスペクションや家づくりに関するお悩みがあれば、お気軽にお問合せください。
