新築物件でもホームインスペクションは必要ですか?欧米ではどれくらい普及しているんですか?
アメリカでは新築住宅購入者のホームインスペクションをする人が増えています!
欧米ではホームインスペクションの歴史も古く、住宅購入の標準的なプロセスとなっている国もあります。
本記事では、欧米諸国でのホームインスペクションの誕生から現在に至るまでの歴史と、日本との普及率、文化的な違いを解説します。
- この記事でわかることホームインスペクションの歴史
- ホームインスペクションの文化的背景の違い
- ホームインスペクションがもたらすメリット
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ホームインスペクションの歴史:欧米での誕生と発展
まずは、海外でのホームインスペクションについて解説します。
- ホームインスペクションの誕生背景と初期の役割
- 業界の確立と1980年代以降の発展
- 欧米諸国への拡散と標準化
順番に見ていきましょう。
ホームインスペクションの誕生背景と初期の役割
ホームインスペクションは1970年代、アメリカで住宅取引の安全性を高めるために誕生しました。
当時は住宅購入後に見つかる欠陥や修繕リスクの高さが問題視されていました
これを解決するために、建物の状態を事前に検査する制度が求められます。
ホームインスペクションによって住宅の品質を保証し、買主が安心して購入できる環境が整えられていきました。
業界の確立と1980年代以降の発展
1980年代に入ると、ホームインスペクションは急速に普及し、住宅取引の標準的なプロセスとして認識されるようになりました。
ホームインスペクターの資格制度が導入され、ホームインスペクション業界が確立されています。
これにより、ホームインスペクターは厳しい教育や訓練を受けた専門家としての地位を築き、さらに信頼性が向上しました。
欧米諸国への拡散と標準化
各国ではホームインスペクターの基準が整備され、住宅購入に際してホームインスペクションを行うことが一般的な習慣として定着していきます。
ホームインスペクションの概念はアメリカからカナダ・イギリス・オーストラリアなどに拡がり、それぞれの国で住宅取引の標準的な一環となりました。
現在では多くの国で、住宅購入前のホームインスペクションは必須とされています。
アメリカにおける普及状況とその影響
次に、ホームインスペクションの歴史が古いアメリカでの普及状況などを解説します。
- 圧倒的な普及率と「ホームインスペクション条件付き契約」
- 新築物件におけるホームインスペクションの重要性
順番に見ていきましょう。
圧倒的な普及率と「ホームインスペクション条件付き契約」
アメリカでは、住宅購入者の70〜90%がホームインスペクションを実施しています。
特に中古住宅の取引で欠かせないステップとなっており、購入契約の中には「ホームインスペクション条件付き契約」が標準化されています。
購入者がホームインスペクションの結果を見て、最終的に購入するかどうかを決めることができます。
この仕組みによって購入者はリスクの低い取引が可能です!
新築物件におけるホームインスペクションの重要性
アメリカでは中古住宅のみならず、新築住宅でもホームインスペクションを行うケースが増えています。
新築であっても、施工ミスや見えない欠陥が発生するリスクがあります。
そのため、ホームインスペクションを通じて問題を早期に発見することが一般的な習慣です。
特に住宅の質が地域や業者により異なるアメリカでは、ホームインスペクションが品質管理の役割を果たしています。
カナダ・イギリス・オーストラリアの普及状況と特色
カナダ・イギリス・オーストラリアにおける、ホームインスペクションの普及事情を紹介します。
- カナダでのホームインスペクションと州ごとの基準
- イギリスにおけるホームインスペクションの信頼性
- オーストラリアでのホームインスペクションの普及と特徴
- 欧米諸国の共通点:住宅の品質保証と取引の透明性
各地域の共通点も合わせて解説します。
カナダでのホームインスペクションと州ごとの基準
カナダでは住宅購入者の80%以上がホームインスペクションを実施しており、州ごとに資格制度が整えられています。
特に中古物件の取引ではホームインスペクションの実施が標準で、購入者が安心して取引できる環境が整備されています。
また、ホームインスペクションの結果をもとに価格交渉が行われるのも一般的です。
イギリスにおけるホームインスペクションの信頼性
イギリスでは特にホームインスペクションが不可欠なプロセスとされています。
イギリスでは築年数の経った住宅が多く、購入者が物件の状態を正確に把握できるようにホームインスペクションをしています。
オーストラリアでのホームインスペクションの普及と特徴
オーストラリアでも80%近い購入者がホームインスペクションを依頼しています。
特にオーストラリアは、シロアリや湿気によるダメージが発生しやすい気候です。
物件の耐久性を確認するためにホームインスペクションが重視されています。
消費者保護の観点からホームインスペクションは重要な役割を果たしています!
欧米諸国の共通点:住宅の品質保証と取引の透明性
住宅は一生に一度の高額な買い物であり、そのリスクを最小限に抑えるための制度が整備されています。
一般的に欧米諸国では、ホームインスペクションが住宅の品質保証と消費者保護の一環として確立しています。
ホームインスペクションを行うことで、購入者は安心して物件を購入できます。
万が一の際にも消費者としての権利を守れる仕組みが整っています
日本における普及の現状と課題
日本におけるホームインスペクションの普及の経緯を解説します。
- 日本での低い普及率と「新築神話」
- 2018年の宅地建物取引業法改正とその影響
- 不動産業界におけるホームインスペクションに対する抵抗感
順番に見ていきましょう。
日本での低い普及率と「新築神話」
日本では新築住宅の購入が一般的で、建物の品質に対する信頼が高く「新築なら安心」という意識が根強い傾向にあります。
そのため、ホームインスペクションの普及率は10%以下と低くなっています。
特に新築住宅ではホームインスペクションの必要性が軽視されがちです
この「新築神話」によって、新築住宅のホームインスペクションが不要だと考える人が多いのが現状です。
しかし、オーダーメイドで3ヶ月以上もかけて建てる複雑な工程の家づくりで、不備ゼロというのはほぼありません。
2018年の宅地建物取引業法改正とその影響
新築住宅においては、購入者がホームインスペクションを希望しても、建設会社や不動産会社が消極的な姿勢を見せる場合があります。
日本では2018年に「宅地建物取引業法」が改正され、ホームインスペクションの説明が義務化されています。
これにより、物件購入前にホームインスペクションを選択できる仕組みは整いましたが、依然として普及は遅れています。
ホームインスペクションが一般化するには、まだ時間がかかりそうです
不動産業界におけるホームインスペクションに対する抵抗感
一部の不動産会社や施工業者の中には、ホームインスペクションの実施により、施工ミスが明るみに出るリスクを懸念している業者も少なくありません。
そのため購入者がホームインスペクションを依頼する際に、気の重いやりとりが発生してしまうことがあります。
その状況を回避するためには、実施から欠陥の指摘まで、施主側でやり取りせずとも全て請け負ってもらえるホームインスペクション業者に依頼すると良いでしょう。
ホームインスペクション業者はやり取りを請け負うことも可能です!
ホームインスペクション導入の文化的背景の違い
日本と欧米諸国とのホームインスペクションに対する意識や文化的な違いを紹介します。
- 欧米の「購入者保護」の意識
- 日本の根強い「新築信仰」
- 中古物件取引における欧米との差
順番に解説します。
欧米の「購入者保護」の意識
欧米諸国では住宅購入において「購入者の権利」が非常に重視されています。
特にアメリカやカナダでは住宅は最も高額な買い物のため、消費者保護の観点からホームインスペクションが一般的です。
欧米では消費者が安心してホームインスペクターに依頼できる仕組みが整っています。
ホームインスペクションによって、物件の欠陥や問題を事前に確認する文化が根付いているのです。
日本の根強い「新築信仰」
日本では「新築こそ価値が高い」という新築信仰が根強く、リスク回避や物件の詳細な検査が軽視されがちな傾向にあります。
また、住宅の施工や品質管理の権限が業者に強く依存しているため、購入者が物件の品質をチェックする権利が十分に確保されていません。
このことが、ホームインスペクションの普及を妨げている原因ともいえます。
こうした文化的背景が、日本におけるホームインスペクション導入の遅れを生んでいる要因といえるでしょう。
中古物件取引における欧米との差
欧米では中古物件の取引が活発で、建物の状態を把握した上で購入する文化が根付いています。
日本では中古物件の取引の際に、ホームインスペクションを行うことがまだ一般化していません。
しかし、近年では中古物件の価値が見直されつつあるため、ホームインスペクションの需要も徐々に高まっています。
ホームインスペクションがもたらすメリット
ホームインスペクションの導入することによるメリットを3つ紹介します。
- 施工不備や隠れた欠陥の早期発見
- 購入後のトラブル軽減や信頼性の確保
- リセールバリューの向上
順番に見ていきましょう。
施工不備や隠れた欠陥の早期発見
新築住宅でも、施工ミスや隠れた欠陥があることは少なくありません。
POINT!ホームインスペクションを導入でよく見つかる不備
- ボルトの締め忘れ、金物未設置など強度に重要な部分の不具合
- 基礎工事のかぶり厚不足
- 断熱材の不足など
購入者が早期にこれらの問題を把握することで、将来の大きな修繕費用を防げます。
購入後のトラブル軽減や信頼性の確保
ホームインスペクションを実施することで、購入者は物件の状態に納得して入居でき、住んだ後のトラブルが減少することがあります。
ホームインスペクションによって、納得感と安心感が得られるでしょう。
特に一生に一度の買い物とも言える住宅において、ホームインスペクションは重要なステップとなります。
さらに、購入後のリフォームや補修にかかるコストを低減させる可能性もあります。
将来的に見ると、経済的な負担を軽減する効果も期待されます
リセールバリューの向上
ホームインスペクション済みの住宅は、将来的に売却を検討する際も有利に働きます。
ホームインスペクションを受けた住宅は、リセールバリューの向上にも寄与すると言えるでしょう。
購入希望者にとっても、ホームインスペクション済みの物件は安全で信頼できる選択肢となり、中古市場でも早く売れる可能性が高まります。
売却する際もホームインスペクション済みの物件は有利です
日本におけるホームインスペクションの将来と展望
ここでは、ホームインスペクションの日本での普及のための施策について解説します。
- ホームインスペクション普及のための施策
- 透明性の向上による住宅市場の信頼回復
順番に見ていきましょう。
ホームインスペクション普及のための施策
日本でホームインスペクションが普及するためには、国や自治体、業界団体が消費者に向けた啓蒙活動が必要です。
2018年に宅地建物取引業法改正され、ホームインスペクションが少しずつ浸透し始めたものの、さらなる法整備や啓蒙が求められます。
透明性の向上による住宅市場の信頼回復
日本でホームインスペクションが標準化されれば、住宅取引の透明性が高まり、購入者の安心感が向上します。
ホームインスペクションにより、施工不良やトラブルの発生率が減少することで、住宅業界全体の信頼性が上がるでしょう。
購入者が、ホームインスペクションの結果をもとに物件選びを進められるようになります。
ホームインスペクションをすることで住宅購入への不安が減り、満足度が高まると考えられます。
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まとめ
欧米ではホームインスペクションが住宅取引の重要な一環として位置付けられており、普及率は70%以上とも言われています。
一方、日本ではまだ「新築神話」や文化的な背景から普及が遅れており、普及率は10%未満という現状です。
今後は中古市場の成長や住宅業界の透明性向上に伴い、需要は拡大するでしょう。
ホームインスペクションの導入により、住宅の品質や購入者の満足度が向上し、より安心できる住宅取引が日本でも実現することが期待されます。
将来のためにもホームインスペクションの導入をぜひ検討してみてください
品質と安心が手に入ります。
ホームインスペクションやお家に関するお悩みは、いつでもご相談ください。
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