ホームインスペクションとは？注文住宅を安心して建てるための重要な検査プロセス

注文住宅を建てる際、建築中や竣工時に行う「ホームインスペクション（住宅診断）」は、住宅の品質と安全性を確保するために非常に重要です。この記事では、ホームインスペクションが何か、その必要性、そしてどのように進めるのかを解説します。

1. ホームインスペクションとは

ホームインスペクションの基本

ホームインスペクションとは、住宅の専門家が第三者の視点から家の状態をチェックし、建築基準に適合しているか、設計通りに施工されているかを確認するための検査です。これにより施工ミスや隠れた問題がないかを早期に発見する事に繋がり、もし見つかればその段階で是正することが可能となります。

ホームインスペクションが必要な理由

ホームインスペクションは、新築の注文住宅であっても重要です。新築だからといって、建築中に施工ミスが発生しないという事はありません。また目に見えない部分での問題が年数が経過したのちに発覚することもあり、これを未然に防ぐ為には第三者の検査が欠かせません。第三者検査を行うとなれば、現場において緊張感が高まり、手抜きやトラブルを未然に防ぐことへの予防にも繋がります。

2. ホームインスペクションの流れ

基礎から竣工まで5回の検査

ホームインスペクションは、建築工程に合わせて5つの重要なタイミングで実施します。これにより、各段階での施工品質を厳しくチェックし、潜在的な問題を早期に発見・修正します。以下に、主要な検査段階をご紹介します。

1. 基礎検査: 基礎の配筋が完了した時点で行います。配筋が設計図通りに施工されているか、鉄筋の継手長さは確保されているか、かぶり厚は確保されているかなど、コンクリートを流す前に配筋の確認を行います。
2. 上棟検査: 建物の骨組みが完成した後のタイミングで行います。柱や梁の金物の取付状況、耐力面材や床材の固定釘の種類やピッチなどの確認を行います。
3. 防水検査: 防水シートの施工が完了した後のタイミングで行います。防水シートの重ねしろの確認、サッシ廻りの防水シートの収まり、配管や配線周りの防水処理など、外壁が貼られる前に確認を行います。
4. 断熱材検査: 断熱材の施工が完了した後のタイミングで、断熱材の設置状況の確認、隙間の確認、厚みの確認など、石膏ボード等が貼られる前に確認を行います。
5. 竣工検査: 建物の完成のタイミングで、内外装の仕上がり確認、設備機器の設置状況の確認、扉の建付け状況の確認など、引渡しの前に確認を行います。

3. ホームインスペクションのメリット

安心した家づくり

工事途中でホームインスペクションを行う最大のメリットは、安心して家づくりを進められることです。第三者の目で客観的に家づくりを確認してもらうことで、見逃されがちな問題を早期に発見し、塞がれてしまう前に是正する事が可能となります。これにより、完成後のトラブルを未然に防ぎ、家族が安心して暮らせる住まいを手に入れることができます。

将来的なコスト削減

ホームインスペクションを通じて完成後に発生する可能性のある問題を早期に発見することで、将来的な修理・リフォーム費用の削減に繋がります。建て付けの不具合、耐震性能、雨漏り、断熱性能の不備など、不具合が出てからだと不具合箇所の特定をする事も難しく、また修繕には多額の費用が発生する可能性があります。問題が大きくなる前に対処することで、長期的に安心できる住宅を維持することが可能となります。

4. ホームインスペクションを依頼するタイミング

基礎工事前からの計画

ホームインスペクションを依頼する際は、工事が始まる前から計画を立てておくことが大切です。基礎の配筋組に欠陥があってもコンクリートを流し込んだ後では、確認することはできません。また施工不良や欠陥は何年も経ってから表面的に発生してくる可能性があります。住宅会社側への資料請求・スケジュール調整も必要なため、着工の1カ月前までには申し込みをされると良いでしょう。着工後に、上棟検査、防水検査、断熱材検査、竣工検査の単発での検査を行うことも可能ですので、ご希望の方はお問い合わせください。

5. まとめ

ホームインスペクションは、注文住宅を建てる際に非常に重要なステップです。建築中の各段階でホームインスペクションを行うことで、施工ミスや不具合を早期に発見し、安心して新しい生活を始めることができます。長期的に快適で安全な住環境を確保するためには重要です。